ほとんどの日本人が知らない日本の国歌「君が代」の意味



「君が代」の意味

 

 

ここまでの話でおわかりのように、「君が代」の意味は、時代の経過によってその意味が変わっていったということなのです。古今和歌集ができたのは平安時代ですが、その時には女性が男性に送った恋文だとされています。

 

古今和歌集での「君が代は」の部分は「我君は」となっていて、「我君」とは女性が男性を呼ぶときの言い方です。このように恋文であった「君が代」が、時が流れるにつれて天皇陛下を称える歌へと認識が変わっていったのです。

 

日本は天皇陛下を中心としてずっと続いてきた国であり、日本ほど王国として歴史の長い国は他にはありません。従って、長く日本を守ってきた天皇陛下に敬意を払うという意味になっていったのも理解はできます。

 

ただ、「我君は」では女性しか歌うことができませんから、「君が代は」に変わり、性別とは関係なく歌えるようになりました。こうして男女の恋文となったのですが、もう一面では「君」は天皇陛下を表します。

 

汝(なんじ)の治世が幸せな数千年であるように、われらが主よ、治めつづけたまえ。今は小石であるものが、時代を経て大いなる岩となり、神さびたその側面に苔が生える日まで。このように、天皇陛下の世がずっと永遠に続きますように、というような意味になります。平安時代の女性が男性に送った恋文からは、ずいぶんと変ったわけです。